178万円の壁とは?
2026年分から所得税がかからない上限が変わります
2026年8月20日更新/令和8年分の制度にもとづく解説
「103万円の壁」と長く呼ばれてきた所得税の基準が、2年続けて動きました。 2024年分まで103万円だったものが2025年分は160万円になり、2026年分(令和8年分)からは178万円になります。 ここでは、その178万円が何でできているのか、そしていつの給与から実感できるのかを整理します。
178万円の内訳
178万円という数字は、2つの控除の合計です。
| 基礎控除 | 104万円 |
| 本則62万円+特例の上乗せ42万円 | |
| 給与所得控除(最低保障額) | 74万円 |
| 所得税がかからない給与収入の上限 | 178万円 |
基礎控除の本則部分は58万円から62万円へ、給与所得控除の最低保障額は65万円から74万円へ引き上げられました。 これに、合計所得金額に応じた特例の上乗せ(給与収入でおよそ665万円相当以下の方は42万円)が加わって104万円になります。
いつの給与から変わるのか
ここが誤解されやすいところです。この改正は令和8年12月1日に施行され、令和8年分以後の所得税に適用されます。 そのため、2026年11月までの給与から天引きされる金額(源泉徴収)は変わりません。 1年分をまとめて計算し直すのは2026年12月の年末調整で、そこで差額が精算されます。
「10月になっても手取りが増えていない」という状態は、制度どおりの動きです。 なお、源泉徴収税額表そのものの改正は令和9年1月1日以後に支払う給与から適用されます。
気をつけたい点:178万円は「所得税だけ」の話
178万円はあくまで所得税がかからない上限です。次の2つは別の基準で動きます。
- 住民税:基礎控除が43万円のまま据え置かれたため、所得税より低い水準からかかり始めます。 単身の方の場合、給与収入119万円あたりが目安です(住民税の記事)。
- 社会保険:金額ではなく、週の所定労働時間などで判定されます。2026年10月には「月8.8万円以上」という賃金要件が撤廃される予定です (106万円の壁の記事)。
手取りが実際に大きく変わるのは、税よりも社会保険料の負担が新しく発生するときです。 「178万円を超えると手取りが激減する」という説明は、税だけを見ると当てはまりません。
2027年分以降はどうなるか
基礎控除の特例の上乗せは、令和10年分(2028年分)以後は対象が「合計所得金額132万円以下」に絞られ、上乗せ額も37万円になる予定です。 給与所得控除の最低保障額も、74万円のうち5万円分は2年間の時限措置とされています。 あわせて、令和10年分以後は2年ごとに消費者物価指数の変化率をもとに基礎控除等を見直すしくみが導入されました。 178万円という数字が今後も固定というわけではありません。
自分の場合はいくらになるか、計算してみる
年収・週の労働時間・扶養の状況を入れると、手取りと壁の位置を概算します。入力した内容はサーバーに送信されません。
出典(一次情報)
- 国税庁 令和8年4月 源泉所得税の改正のあらまし(2026-08-20 確認)
- 国税庁 令和8年度税制改正による所得税の基礎控除の引上げ等について(2026-08-20 確認)
免責事項
本記事は、公表されている法令・公的機関の資料にもとづく一般的な情報提供を目的としています。 個別の事案に応じた税務相談・社会保険手続の代行は行っておらず、個別のご相談はお受けしていません。
制度は改正されます。本記事は更新日時点で確認した内容にもとづいており、その後の改正・運用変更を反映していない場合があります。 公布前・施行前の内容についてはその旨を本文に明記していますが、最終的な内容が変わる可能性があります。
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